◆日時 10月5日(土)午前10時より
◆会場 早稲田大学戸山キャンパス/Zoom
◆オンライン参加方法 (東洋史・西洋史・考古学部会のみ)
https://forms.gle/cKEFXtdjJ3uY5fGe8より参加登録をお願いいたします。
登録者には、追ってID及びパスワードをお知らせいたします。
◎研究発表 (10:00~12:30) ※日本史コースは対面開催のみ/西洋史コースは10時50分開始
【日本史部会】於:33号館3階 第1会議室(対面開催のみ)
① 沈 懿軒(大学院学生)「唐商人の対日交易と藩鎮体制―徐公直・徐公祐兄弟と蔡輔をめぐって― 」
② 篠原 佑典(大学院学生)「中近世移行期における宗教的都鄙関係―千妙寺亮信と青蓮院門跡を中心として」
③ アン ジヒョン(大学院学生)「享保期江戸における名主役の位置づけ」
④田部井 隼人(大学院学生)「 明治三十年代における心霊/幽霊の接合と矛盾」
【東洋史部会】 於:33号館6階 第11会議室(ハイブリッド方式)
① アリヤ(大学院学生)「清朝のフルンボイル地方に対する管理―ソロン・バルガ兵の卡倫勤務の変遷を中心に―」
② 栗林 聡(大学院学生)「蒙疆政権の対満洲国貿易―陸境貿易を中心に―」
③ 永島 育(東京大学東洋文化研究所 特別研究員PD)「無名の将校:近代オスマン軍事史研究の基礎について」
【西洋史部会】 於:33号館16階 第10会議室(ハイブリッド方式) ※10:50開始
① 堺 太智(大学院学生)「ナポレオン帝国とイリリア諸州の合同―軍政クロアチア州の事例から―」
② 徳山 賢誠(大学院学生)「スコットランド救貧法による困窮女性への救済の展開―1845年の救貧法改正から第一次大戦前に焦点をあてて―」
【考古学部会】於: 33号館3階 第2会議室(ハイブリッド方式)
① 阿部 嵩士(大学院学生)「相模野台地の砂川期における緑色凝灰岩利用」
② 高林 奎史(大学院学生)「 曽谷式・安行式における幾何学的形態測定法を用いた器形の分析」
③ 平木 颯佳(大学院学生)「古代城柵と朝鮮半島の山城における門構造の比較」
◎総 会 (13 : 30~14 : 00) 於: 33号館3階 第1会議室 (対面開催のみ)
◎全体会:新任教員による講演 (14 : 00~17 : 20) 於:33号館3階 第1会議室 (対面開催のみ)
会長挨拶・趣旨説明:谷口 眞子(14:00 ~ 14:10)
講演① 柿沼 陽平(東洋史)「中国における貨幣の起源?」(14:10~15:40)
講演② 山崎 世理愛(考古学)「古代エジプトの葬送儀礼と社会―エジプト学のなかの考古学―」(15:50~ 17:20)
◎懇親会(18:00~)
会場:戸山生協食堂
会費:4000円(院生3000円、学部生2000円)
早稲田大学史学会全体会・ 公開講演会のご案内
早稲⽥⼤学史学会では、本年度より本学へ新たに嘱任された柿沼陽平先⽣・⼭崎世理愛先⽣に、ご⾃⾝の研究テーマや歴史観について語っていただくことで、歴史学・考古学の⼀層の魅⼒を提⽰する機会を提供できればと考えております。多くの⽅々のご来場をお待ちいたしております。
講演① 柿沼 陽平(東洋史)
「中国における貨幣の起源?」
中国における貨幣の起源とはどのようなものだったのか。中国最古の貨幣といえば、ふつう殷周時代の宝貝が挙げられることが多い。だが、宝貝の歴史を正確に知りたければ、当時しるされた文字史料、すなわち殷周時代の甲骨文・金文を読まねばならない。さらにその時代の遺跡の出土状況を調べ、出土宝貝を悉皆調査せねばならない。それによると、殷周宝貝はキイロダカラが中心で、その分布は黄河流域に偏在し、それはおもに殷王族間の贈与交換物として機能していた。それは生命と再生のシンボルだった可能性が高く、いわゆる貨幣として使用された例はない。また動詞の「買」は春秋時代頃、「売」は統一秦代にようやく登場するため、春秋戦国時代に貨幣経済が展開していたか否かは、少なくとも文字史料からは確定不可能である。加えて、いったん流通しだした貨幣にはどのような種類があり、そこにいかなる使い分けがあったのか。本報告ではこうした中国貨幣史の始原に迫る。
講演② 山崎 世理愛(考古学)
「古代エジプトの葬送儀礼と社会―エジプト学のなかの考古学―」
儀礼祭祀は宗教的観念と結び付けられることが多いが、実際には社会的行為としても位置付けられる。しかし、これまで古代エジプトの儀礼祭祀は精神文化という文脈のなかで言及される傾向が強く、社会との関係についてはあまり語られてこなかった。また、エジプト学では伝統的に文字・図像資料の研究がさかんに行われてきたが、近年では考古学的研究の重要性が指摘され、考古資料と文字・図像資料をバランスよく用いた研究事例の積み重ねや理論的枠組みが待たれている。 そこで今回は、まずエジプト学とはどのような学問なのかを紹介したうえで、エジプト考古学の現状と課題を共有する。そして、「器物奉献儀礼」という葬送儀礼が本格化した中王国時代(前2055~前1650年頃)を例に、考古資料と文字・図像資料を比較しその背景を考察する。さらに、葬送儀礼が当時の社会においていかに機能したかについても検討し、さいごに今後のエジプト学における儀礼祭祀研究の展望を述べたい。